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白内障手術 小切開白内障手術

※本ページの内容は京都府立医科大学附属病院眼科の許可を得て転載しています

白内障とは?

白内障とは目の中の水晶体が濁った状態をいいます。水晶体とは眼をカメラに例えるとレンズに相当します。水晶体が濁ると眼の奥の網膜というカメラのフィルムに相当する部分まで上手く光が届かなくなります。カメラのレンズが汚れているときれいな写真が撮れない様に、白内障になると見えにくくなります。

治療は?

白内障の進行によって視力が低下し、日常生活に不便をきたすようになると手術により白内障を取除きます。同じ視力でも視力的に不自由な方には手術をお勧めしますが、不自由でない方は無理に手術はお勧めしません。

しかし白内障が過度に進行し、その合併症などによって失明の危険がある場合は緊急に手術をする場合はあります。白内障の進行具合や白内障以外の眼の状態などにもよりますが、現在では約4ミリ程度の小さな切り口で手術が出来るようになりました。また眼の状態や全身状態にもよりますが、最近では手術手技の進歩、手術機械の進歩により通院による手術も可能になりました。

どんな手術?

基本的に白内障の手術は全身麻酔では行わず、眼だけの麻酔で行います。眼に約4ミリ程度の小さな切り口を入れます。白内障はサランラップのような薄い袋によって包まれています。切り口から細い機械を入れ、その薄い袋の中心部を取除きます。そこから中の白内障を細い機械で溶かして吸い取ります。そして残した薄い袋の中に、水晶体の代わりの眼内レンズを埋め込みます。

合併症は?

手術ですから100%安全確実というわけにはいきません。眼を切らないと中が触れませんので白内障手術では必ず切り口を入れます。切り口を入れるとそこからばい菌が入る可能性がゼロではなくなります。

そうならないようにどこの施設でも抗生物質などで予防はしますが、それでも眼の中にばい菌が繁殖して視力が下がる確立は0.05%と言われています。また手術の後に眼を触ったりすると、当然ばい菌が繁殖する可能性が高くなります。

手術すれば必ず良くなる?

白内障の手術ですから白内障のために視力が低下している分はよくなります。しかし白内障以外の眼の病気があり、それによって視力が低下している分はよくなりません。

たとえば眼底出血がある場合は、カメラのフィルムに相当する部分が悪くなっています。いくらカメラのレンズの汚れを取っても、フィルムが傷んでいればきれいな写真が撮れないのと同じです。また若返りの手術ではないので、将来はわかりませんが現在の白内障の手術では乱視や老眼は治りません。

ですから若い頃と同じ見え方にはなりません。他の眼の病気が無ければ、手術によって眼鏡をかけずに生活に不自由のない視力を得る事は可能ですが、はっきり見ようと思えば手術をしても遠く用、近く用の眼鏡が必要になります。現在は多焦点眼内レンズの種類も増え、術後の見え方が患者さまのニーズに合うレンズを選択できるようになってきました。遠方から手元まで見える多焦点眼内レンズについての詳細はこちらまで